自然のままに
齋彌酒造店では「お酒は人ではなく、微生物が醸す」という考え方に基づき、薬剤を使用した蔵内殺菌を行っていません。
そのため、酒蔵としては日本で初めてオーガニック認定を受けました。日々の清掃は言うまでもなく、蔵の天井・梁など隅々まで清掃を行うことで、蔵内の微生物のバランスを整えるようにしています。
微生物の環境を大切にする姿勢は、酒造りの現場にも現れています。それは「櫂入れをしない」、「濾過をしない」、「加水しない」こと。
微生物の働きにまかせ、ゆっくりと醸されたお酒をそのままの状態で味わってもらいたいため、余分な手は加えていません。
ありがたき恵みの水
山に降り積もった雪は、雪解け水となり川に流れ、人々の暮らしや水田に豊かな恵みをもたらします。
酒造りでも、洗米から出荷まで多くの工程で、大量の水を必要とします。
当蔵内では、由利本荘の自然豊かな恵みを受けて、良質の水が豊富にこんこんと湧き出ています。
米づくりから始まる酒造り
齋彌酒造店では、蔵人自ら、そして地元農家さんと契約して、酒造好適米「秋田酒こまち」を栽培しています。また、兵庫県西脇市黒田庄の農家さんとも契約を結び、最高級酒米である「山田錦」を栽培しています。
酒米の品質は酒造りにも影響します。より良い品質のため、毎年圃場視察を行い、収穫された酒米を分析して、生産者と情報交換の場を設けています。
これらのこだわりの酒米を使用して「雪の茅舎」は醸されるのです。
蔵に合った酵母を培養
齋彌酒造店では「雪の茅舎」を美味しいと飲んでいただいたお客様が、また手にとって飲んでいただけるような酒質を目指しています。弊社は30年以上前から酵母の自家培養に取り組み、長年にわたり選抜した自家培養酵母は「雪の茅舎」オリジナルの香味を生み出し、安定した酒質を醸しています。
職人の技で
最高の酒質を目指す
高橋藤一杜氏をはじめとする職人の技により、酒造りは行われます。
伝統の技と日々の研究が「酵母の自家培養」や「山廃の復活」を可能にしました。酒母造りで主流となっている「速醸もと」は醸造用の乳酸を添加して仕込む方法ですが、自然の乳酸菌の力を借りて醸す「山廃もと」は育成に時間と手間がかかるため、高度な技術が必要となります。弊社では高橋杜氏が「山廃もと」を復活させ、豊かな風味あるお酒を醸しています。